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健康な角質層を保つ基本

完璧な保湿に見える角質層の保水機能ですが、実はまわりの影響を受けやすいのが欠点です。保湿の要、NMFはアミノ酸、PCA、乳酸ナトリウム、尿素などの保湿成分が集まったものです。そしてこの保湿成分は周りの湿度にとても影響されやすく、空気が乾くと肌から水分が奪われてしまいます。 ターンオーバーの乱れも、乾燥が原因です。NMFの60%はアミノ酸(40%)とその代謝物(20%)ですが、ターンオーバーが乱れるとそのアミノ酸を作り出すケラトヒアリンが減り、そのうえ細胞間脂質も減ってしまうので肌のうるおいは急降下します。つまり、ターンオーバーのリズムを崩さずに、健康な角質層を維持することが保湿のポイントです。具体的には、低湿度、冷え、そして強い紫外線、これらがターンオーバーの不調を招く3大要因です。

@ 低湿度
角質細胞同士をくっつけているのはデスモソームというタンパク質複合体です。それを分解するのがタンパク質分解酵素です。ところが、この酵素は湿度が下がりすぎると働きが悪くなります。デスモソームが分解されないと役目を終えた角質細胞も肌に残ったまま。そのような角質層は分厚くこわばり、水分もうまく行きわたりません。
A 冷え
体が冷えると血行が悪くなります。するとお肌の働き全体が鈍感となり、ターンオーバーも遅れがちになります。
B 強い紫外線
紫外線で肌に炎症が起きると、ターンオーバーが異常に速まります。すると形が不ぞろいとなりNMFも少ない未熟な角質細胞が肌表面へ現れます。もちろんそのような角質細胞はきちんと保水はできません。

間違ったケアが乾燥を招くこともあります。例えば、洗いすぎると肌が脱脂状態になってバリアが弱まり、細胞間脂質が流出します。皮脂なら洗顔で落としても数時間で元通りになることが多いのですが、細胞間脂質のほうは回復までに数週間はかかります。たとえどんなに「肌にやさしい」ボディソープや石鹸を使っていても、二度洗いなどで洗いすぎればそれは同じことです。 また、ある程度仕方のないことですが、老化も乾燥の原因です。年を取るとどうしても皮脂やNMFなどは減ってゆき、そうなると角質は乾いてターンオーバーも乱れがちになります。 このように角質層の保水機能は大変デリケートです。では、毎日のお手入れを工夫することでその働きを少しでも補うことはできるのでしょうか?

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